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まきべ〜のおでかけ日記
いすみライフマーケット
NPO法人 いすみライフスタイル研究所

スタッフオススメ特情報

第28回 いすみ“パン屋さん”巡りその4
国産小麦パンの店 「麦香村」

文・写真:岡田 美保
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ご主人手彫りの看板が目印

いすみ市役所大原庁舎からほど近い住宅地に赤い看板が目印の国産小麦パンの店麦香村(バッカソン)はあります。扉を開けると、甘いパンの香りに包まれます。

かめりあ

蔓で編まれた大きな棚が目を引き、左右所せましと様々なパンが並びます。
麦香村へ通い始めて、ただのパン屋ならぬわくわくする気配を感じ、ずっと取材をしたいと思っていました。

いつも元気に出迎えてくれるのはおかみの遠藤直美さん。お気に入りのグラハム・ノア(全粒粉クルミ入りパン)とその日の気分でいくつか選び、話題豊富なおかみさんとお話して帰るのが、大原へ来た時の楽しみのひとつです。

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東京からいすみ市へ

麦香村は平成元年にあきる野市でお店を開業し、お店の名前は本に出てくる地名から「麦香村」と名付けました。

麦香村のフランスパン 麦香村のこだわり

開店当初からポストハーベストの害がある輸入小麦ではなく、国産小麦を使い、 『とにかく安全で、おいしいパンを食べてもらいたい』 という一心で、夫婦でお店を切り盛りしてきました。

お店での販売に加え、生協にも卸しをしていたので、ほとんど休みもなくパンを作っていたと振り返るのはご主人の遠藤光孝さん。
地方で、もっとのんびりしたいなと思っていたところ、現在の物件が見つかり、いすみ市(当時は夷隅郡大原町)への移住を決めます。

元々、房総にはゆかりがあり、好きな海の近くで趣味の時間も持てると思いきや…やはりパン作りに追われる毎日で大変だったそうです。
お店の手彫りの看板は御主人の力作。お店をオープンする直前まで、彫っていました。店内にあるパンを並べる大きなつる製のラックも、山ブドウのつるで、ご主人が作りました。

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普通のパン屋、きどらないパン屋でいたい

麦香村のパン 麦香村のパン
麦香村のパン 麦香村のパン

麦香村のパンは種類が豊富です。
フランスパン、玄米食パン、ライ麦パン、レーズンパン、ピロシキ、クリームパン、焼き菓子など曜日ごとにパンも異なり、食事パンから、菓子パンまで好みに合わせて選ぶことができます。

クリーム、具などの中身は出来る限り手作りしています。ピロシキの具は13種類の具とスパイスが絶妙です。ベーコンエピは少しタバスコが利いていて、くせになるパン。おすすめは昔懐かしい、チョコレートコルネとコッペパン、購入時にジャムかピーナッツバターを挟んでくれるのも心にくいサービス。

パン作りは単一菌株だけでなく、複合熟成法で自家製酵母などを使い、つくっています。ご主人は独立する前、おおち修造、けい子先生の所に通い、そのおおち法を学んだことをきっかけに、いくつかのお店をまわり、現在の麦香村のパンがあります。

麦香村に行ったら是非、それぞれのパンのポップを読んで下さい。原材料や作り方、お薦めポイントが丁寧に書かれています。
ただ、おいしいパンを届けたい!その熱い純粋な想いを感じることでしょう。

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お客様とのやりとりの中で生まれてくるコト

お店のレジ横にあるコーナーで見つけた本「ぼくの名はハル」。
その手綴じの冊子はおかみさんが書いた作品です。

「ぼくの名はハル」お店の常連の造形作家たべけんぞう氏と2011年の震災後、福島からやってきた犬の物語。手書きで何度も書き直したものを息子さんが文字におこして、ひとつひとつ手作業で本にしました。

「ぼくの名は<ハル>オス犬だけどね。そう付けてもらったんだ。ある日、ぼくはゲンさんに連れられて、お馴染みのパン屋さんに行った。そこでいつものように車の中で待っていた。・・・」

犬のハルの目線で震災のこと、ハルを引き取ってくれたゲンさんとの心のやりとりが物語として綴られています。

おかみさんは昔から書くことが好きで、今でも仕事の合間を見つけては書きものをしています。 他にもお客様とのやりとりの中で生まれてきたものが「夏目漱石のソーダビスケット」(¥200)と「紫蘇入り菓子」(¥170)です。

「夏目漱石のソーダビスケット」(¥200)と「紫蘇入り菓子」(¥170)お店の常連で古い付き合いの関宏夫氏は夏目漱石や正岡子規研究の第一人者です。彼らの日記中に書かれいる菓子を、その文書から想像して、再現しました。

『嬉しい事限りなし、塩気ありて、些の甘みなし、水を塗り、食塩をつけて烙りたるを食う。是亦旨し。食べれば漱石、明治に耽る』

ソーダビスケットは塩がアクセントになっていて、ザクッとした固めの食感が懐かしい素朴なお菓子です。紫蘇入り菓子もゆかりの塩味と香りが後をひくお菓子です。

小麦粉とシンプルな材料で作られたお菓子、約100年前にと思うと、なんて贅沢なお菓子だろうなと思います。
ただ、パンを作るだけでなく、昔の人が食べたであろうレシピを再現してみる、そんな遊び心が麦香村にはあります。

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パンだけに向き合ってきたパン屋じゃないからできること

「朝早くからパンの仕込み、午後からは焼き菓子づくり、又翌日のパンの仕込み・・・。夜もパンの具合を見なきゃいけないこともあるし、オーバーナイトで寝かしているパンもある。でも、パンはこれからも生活のための仕事だから続けていくけど、自分のやりたいこともやりたい。」

と話すのはご主人。 おかみさんはと言えば、

「書くことは好きだけど、パンが一番、仕事に支障をきたさない程度に時間を見つけては文章を書いている。時間が無限にあったからって書けるものじゃなくて、私の場合、あらゆる分野のものを自分のペースで書く。中にはお客さまとのやりとりから、ヒントになるものもあり、物を書くということはパンの仕事と同じ様に楽しい。」

と話します。

今回の取材ではパン以外の話でも盛り上がりました。
東京では忙しく、休みが取れない中、子どもたちの夏休みに休暇をとり、家族で毎年、日本各地へ車でキャンプに行った話や内房の鋸南町にある「岬」というおかみさんの実姉が切り盛りする喫茶店の話。
二人が出会った頃、そこがおかみさんの実家であったため、よく仲間を囲んで集まった楽しい思い出がいっぱいだそうです。

遠藤光孝・直美さん夫妻

二人の人生にパンはかかせないけど、パンだけじゃない。
いろいろな人との交流を楽しみ、麦香村という場所を生き生きとした場所にしているのは、力まず、でも真面目にパン作りをして、日々暮らしを楽しむ二人の生き方そのものだなと感じました。

私が山羊を飼ってチーズを作りたいという話をしたら、次お店を訪ねた時、北海道のチーズ職人の特集を渡してくれたり、ちょっとした心遣いいっぱいの麦香村が大好きです。

自然体のおかみさんとご主人が待っています。
(ご主人はなかなか製造室にいて、会うことは少ないかもしれませんが、声をかけてみてくださいね。)

麦香るパンの村へどうぞいらしてください。

麦香村

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国産小麦パンの店 麦香村(ばっかそん)

住所:いすみ市大原7110
TEL:0470-64-1108
営業時間:7:00〜19:00
※お昼に焼き上がりが揃いますので、12:00前後来店がオススメです!
定休日:月曜日・第2、第4日曜日

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